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2022.12.16
合板には、用途や樹種、加工方法によってさまざまな種類があります。
この記事では、DIYで合板を活用しようとしている人に向けて、合板の種類をわかりやすく解説しています。
まずは合板が具体的にはどのようなものなのかを理解し、その上で種類ごとの特徴を知ることで、より用途に適した合板を選べるようになるでしょう。
上記の方にもおすすめの内容となっていますので、ぜひご一読ください。
目次
合板の種類について学ぶ前に、そもそも合板とはどのようなものなのかを明確にしておきましょう。合板とは、丸太をかつらむきにして作られた「ベニヤ」という薄い板を、接着剤を塗布して、複数枚重ねたものです。繊維が直行するように重ねているので、あらゆる角度からの負荷に強い特徴があります。
重ねたベニヤの枚数によって厚みを調節できるため、多くの種類があり、さまざまな用途に使用されています。次章では合板種類について解説します。合板の種類は主に以下のように分かれます。
それぞれ見ていきましょう。
合板とは具体的にどのようなものなのかを理解していただいたところで、本章では用途別の種類について解説します。
厚み | 基準となるサイズ | 価格 |
2.3ミリ〜30ミリが多い | 910ミリ×1820ミリ | 手ごろな価格で手に入れられる |
普通合板とは、一般的な用途に使用される合板です。表面になんの塗装も施されておらず、木地のままで売買されています。DIYにも広く用いられ、ホームセンターなどで手に入れることも可能です。また、加工がしやすい点は大きなメリットです。
厚み | 基準となるサイズ | 価格 |
12ミリ | 900ミリ×1800ミリ | 手ごろな価格で手に入れられる |
コンクリート型枠合板は、「コンパネ」や「コンクリートパネル」とも呼ばれています。建物の基礎工事のときに、コンクリートを流し込むための型枠として利用されることが多く、普通合板と比べて耐水性に優れているのが大きな特徴です。雨にぬれても耐性を見込めるので、屋外での利用もできます。
ただし、もともとの用途がコンクリートを流し込むための型枠であるので、デザイン性を重視する家具や小物作りには不向きかもしれません。ホームセンターでも購入できるため、入手しやすい点はメリットです。
厚み | 基準となるサイズ | 価格 |
5.5ミリ〜28ミリが多い | 910ミリ×1820ミリ | コンクリート型枠合板よりも高い傾向がある |
構造用合板とは、建築用の材料として作られた合板です。主に建築物の壁や床の下地など強度が必要な部分に用いられます。そのため、日本農林規格 (JAS)によって、以下の項目についての基準が明確に定められています。
JASによって規格品として認められた場合、認定印が押印されます。徹底的な品質管理がなされているため、コンクリート型枠合板よりも価格は高めです。
特殊合板は、普通合板の表面に加工を施したものです。例えば、普通合板に木目をプリントしたものや合成樹脂は特殊合板です。特殊合板の種類は天然木化粧合板と特殊加工化粧合板の2つがあり、表面の加工方法によって分類されます。
美観を目的として用いられるケースが多く、来客をもてなす応接室やデザイン性が重視される家具などで多く使用されます。厚さのわりには強度があり、 伸縮や狂いが少ない点がメリットです。
難燃合板とは、防火剤で処理することによって「難燃性」を持たせた合板です。難燃性とは、火が点いても燃えないという意味ではなく、火がつきにくい性質を指します。難燃性合板が使用された建築物は、火災時に火が回る速度が遅くなることが期待できます。
防火剤には硫酸アンモニウムやリン酸アンモニウムなどが使用されていますが、木目はそのまま楽しめるため、木材の温かみを感じることが可能です。厚さは、5.5ミリ以上です。
参考:日本合板工業組合連合会
次に合板に使用された木材の樹種別に、合板の特徴を解説していきます。使用する樹種によって合板の性質も大きく異なります。
ラワン合板とは、表と裏にフタバガキ科の「ラワン」という広葉樹の一種を貼り合わせた合板です。ホームセンターなどで売られている「合板」という商品名は、ラワン合板であることが多いとされています。ラワン合板は柔らかい木質で、軽いのが特徴です。木目はうすく、表面がざらざらとしています。
家具裏板や建材の下地などに使用されることが多いです。DIYで使用する際は、塗装や表面処理をすることで経年変化を感じにくくなるでしょう。
シナ合板は、表と裏にシナノキ科の「シナ」という広葉樹の一種を貼り合わせた合板です。表面は繊維が均一で、肌触りは滑らか。木目は控えめで色は白っぽく、高級感を感じさせる雰囲気です。
シナ合板は汚れが目立ちやすい性質を持っているため、DIYで使用する際は塗装することをおすすめします。やすりをかけると、さらに滑らかな手触りになるでしょう。押し入れの壁や天井、建具表面の仕上げ材から、アイスクリームのヘラにまで用いられている合板です。
ポプラ合板は、イエローポプラなどのポプラ属(広葉樹)を、表と裏に貼り合わせた合板です。色は白や薄黄色で、軽く柔らかいのが特徴として挙げられます。
大きな魅力は、価格がリーズナブルである点です。他の木と比べるとポプラは成長が早いため、価格が安定しやすいのです。お求めやすく、加工もしやすいのでDIYに適した木材といえるでしょう。
針葉樹合板は、カラマツやスギ、スプルースなどの針葉樹を、表と裏に貼り合わせた合板です。普通合板にも使用されますが、壁材や屋根材などの構造用合板として用いられることが多いです。
表面部分に節があり滑らかさでは広葉樹合板に劣るため、手で触れるようなものをDIYするときには、やすりがけを行なうようにしましょう。
最後に、合板の種類を加工別に紹介していきます。
OSB合板のOSBは「Oriented Strand Bord」の略で、和訳すると「配向性ストランドボード」といいます。ストランド(木材を細かく削ったもの)を平行に重ねて、接着剤を使用して圧縮加工したものがOSB合板です。
このように聞くと「強度は低いのではないか?」と思う人もいるかもしれませんが、住宅に使用されることもあるほどの強度を誇ります。独特の模様がおしゃれで、価格も手ごろであることからDIYにもよく使用されています。ただし、耐水性は低いため、使用する場所を考えて活用しましょう。
ランバーコア合板は、芯材としてはさみこみ、表と裏にベニヤ板を貼りつけた三層構造の合板です。表と裏のベニヤ板にはシナなどの美しいベニヤを用いたり、樹脂板を使用したりすることもあります。
狂いの少ない板を芯材として利用しているため、強度や厚みもあり、反りも少ないのが特徴です。本棚の棚板やテーブルの天板にも利用されています。水に触れると劣化しやすいため、台所や洗面所などの水回りでの使用はおすすめしません。
有孔合板は、合板に等間隔で穴をあけられた合板です。「有孔ボード」や「パンチングボード」という呼び方の方がわかりやすいかもしれません。メリットは、音楽室でも使用されているほど吸音性に優れている点です。
インテリアとしても人気が高い合板で、DIY愛好家にとってはおなじみといえるかもしれません。ホームセンターはもちろん100円ショップでも販売されており、さまざまな種類から選ぶことが可能です。
DIYをする際に考慮したい点は、合板の耐水性についてです。耐水性を高めるためには、合板に用いられる接着剤の種類が重要になります。
先述した通り、合板はベニヤを接着剤で何枚も貼り合わせたものなので、貼り合わせる際に使用する接着剤がそのまま耐水性に影響を与えるのです。合板は接着剤の性能ごとに、JASによって以下のように分類されています。
用途 | 接着剤の主な種類 | |
特類 | 屋外又は常時湿潤状態となる場所(環境)において使用することを主な目的とした所定の接着の程度を満たす合板。 | フェノール樹脂 |
1類 | コンクリート型枠用合板及び断続的に湿潤状態となる場所(環境)において使用することを主な目的とした所定の接着の程度を満たす合板。 | メラミン樹脂 |
2類 | 時々湿潤状態となる場所(環境)において使用することを目的とした所定の接着の程度を満たす合板。 | ユリア樹脂 |
特類が最も耐水性が高く、2類はこちらの区分内では一番耐水性が低いことになります。接着剤の性能に着目することで、より耐水性の高い合板を選ぶことが可能です。
合板には、用途や樹種、加工方法によって多くの種類があり、それぞれ性質が異なる点をおわかりいただけましたでしょうか。各々の合板における特性を理解して、使用するTPO(時・場所・場面)を想像しながら合板を選んでみましょう。
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