森林・木材のお得情報
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2023.2.20
SDGsという言葉と共に、多くの人々が地球環境問題を身近に捉え「個人にもできる貢献を」と行動する時代。中には自らの意思で何か行動したいと思う方も多いのではないでしょうか。
個人にもできることを考える時、最初にやるべきは「知ること」になるでしょう。そこで今回は、地球環境にも大きな役割を果たしている、森や木にまつわる日をご紹介します。
におすすめの内容となっております。本記事を通じ、木や森、地球環境について深く知るきっかけとなれば幸いです。
目次
地球温暖化の問題を始め、環境に対する関心は高まっています。それに応えるように世界中の国や企業がそれぞれの分野で、イベントやキャンペーンを通じ環境意識の向上や行動の変化を促す社会活動も散見されます。
森や木、緑などの自然環境に関わることについても例外ではありません。森林に対する意識向上を始め、持続可能な開発・保全、健全な森林経営を考えるきっかけを作り、一般の人にも広く普及させるよう、さまざまな「記念日」が設けられているのです。
毎年3月21日は国際森林デーです。国際森林デーは2013年12月に国連において「森林に対する意識を向上させること」を目的に設定されました。国連に所属するすべての国々が、それぞれの国内事情に合わせて、すべての森林と森林外樹木に関する具体的な活動をおこなうことを推進する日、とされています。
国際森林デーに合わせて日本では、2014年から毎年イベントを開催しています。国際森林デーのイベントは「みどりの地球を未来へ」をテーマに、森林や樹木への意識を高めるための行事がおこなわれます。2019年には、東京都江東区新木場の木材・合板博物館で文化庁・林野庁の長官による対談や、木工教室、コンサートなどが開催されました。
新型コロナウイルスの影響により久しぶりの開催となった2023年は、東京湾の埋め立て地にある「海の森公園」でイベントが開催される予定です。現在、現地に植樹された木々の手入れをするボランティアを募集するなど、着々と準備が進められています。
参考:東京都
せっかく設けられた記念日でも、時代や組織の移り変わりの結果、今では名称や日付が変わったり、記念日そのものがなくなってしまったものもあります。そんな記念日もご紹介しましょう。
1999年、村名に「美」の文字がつく全国10の村で「美し村(うましさと)連邦」が結成されました。その美し村連邦が制定したのが「森林の日」です。森林の日は「森林」の文字に木が5個はいっていること、森林の総画数が20画であることから5月20日と決められました。10の村は持ち回りで会議をおこない、村内に残る豊かな自然の保全や過疎・高齢化対策をテーマに活動をおこなっていました。
ところが、平成の大合併によりほとんどの村が無くなってしまうこともあり、2003年10月3日の会議をもって美し村連邦は解散となり、森林の日も消滅してしまいました。なお、10の村のうち、現在も残るのは茨城県美浦村だけとなっています。
参考:東京ガスグループ
愛林日はかつて4月2〜4日の3日間に設けられていた日です。昭和初期の世界恐慌を経て衰退する農山村や森林資源に対して、植林の推進と資源の充実を目的として1933年に制定されました。愛林日は、神武天皇祭を中心とした日程で決められ、1934年には初めての植樹行事が筑波山麓でおこなわれました。
その後、継続して全国を廻り開催されている植樹行事ですが、1950年、山梨県での植樹祭からは「植樹行事並びに国土緑化大会」、1970年に福島県で開催された行事からは「全国植樹祭」と名称が変更になりました。愛林日は「全国植樹祭」として残り、天皇皇后両陛下もご臨席のもと、記念植樹などの行事が今でも毎年開催されています。
参考:関東森林管理局
日本には昭和23年に制定された「国民の祝日に関する法律」によって「国民こぞって祝い、感謝し、または記念する日」というものがあります。その中にも、森林などに関する記念日がありますので、ご紹介しましょう。
参考:国民の祝日について
「山の日」は比較的新しい祝日であることに加え、夏休みをとる方も多い時期なことから、あまり意識されない方もいるのではないでしょうか。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを目的に2016年に、8月11日が「山の日」という祝日になりました。
山に関する祝日としては、世界で初めてとなる記念日です。一般社団法人全国山の日協議会が中心となり、毎年8月11日に記念全国大会が開かれます。第7回目となる2023年は、沖縄が開催地です。世界遺産にも登録された「やんばる」と「西表島」の魅力が体感できる大会となることでしょう。
参考:林野庁
「みどりの日」は現在、5月4日となっています。みどりの日ほど、日付や名称が変化した祝日はない、と言っても過言ではないでしょう。
もともと4月29日の「天皇誕生日」が、昭和天皇の崩御後に「みどりの日」と名称変更されたのが始まりです。当時の祝日法には「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」と書かれています。ところが2005年の祝日法改正で、4月29日は「昭和の日」に改められ、「みどりの日」は押し出されるように5月4日に落ち着きました。
もともと5月は「みどりの月間」としてさまざまな緑化行事がおこなわれていた季節。新緑の美しさを楽しむにはもってこいの日なのかもしれません。
参考:ウェザーニュース
日本は、森林が国土の2/3を占める森林大国です。各都道府県別に見ても森林の占める割合が大きい場所が数多くあります。そういった事情から、記念日を定め、森林の保全や緑化活動をすすめている自治体もあります。
全国植樹祭の第62回目の会場となった和歌山県では、それを機に「和歌山の森林および樹木を守り育てる条例」を制定しました。その中で5月22日を「わかやま森林と樹木の日」と定めて記念式典をおこなっています。
式典の主な内容は、森林や樹木を守り育てる活動について功績のある個人や団体を「緑化功労賞」として表彰することです。また皇后陛下のお手蒔き苗の植樹などもおこなわれます。
参考:和歌山県
県の面積の約8割を森林が占める山梨県では、3月11日を「恩賜林記念日」と定めています。その歴史は100年ほどもさかのぼり、明治時代が起源になっています。
明治40年に山梨県を襲った大きな台風が甚大な被害をもたらし、その3年後には集中豪雨に見舞われるなど、山梨県内の人々は苦しい生活を強いられました。そのことを知った明治天皇が明治44年に暮らしの復興に役立てるようにと御下賜されたのが恩賜林です。その謝恩の気持ちを後世に伝えるために明治45年に制定されたのが恩賜林記念日となります。
現在では県の行事として、毎年3月11日に謝恩碑広場前広場で記念式典がおこなわれています。
参考:山梨県
「九州森林の日」は2008年に九州7県と九州森林管理局が宣言した「九州の森林(もり)づくりに関する共同声明」の中でさだめられた記念日です。11月の第2日曜日が記念日として制定されています。「九州はひとつ」という理念のもとに、毎年植樹祭を開催し、九州における美しい森林づくりを推進する活動をおこなっています。
参考:鹿児島県
森林や木材の持つ力は地球環境問題に対する効果だけでなく、人々の生活にも潤いや安らぎをもたらしてくれることは良く知られていることです。自然豊かな空間が心身の健康などに果たす役割をもっと深く理解し、より森林や木材に親しむことを目指す取り組みもおこなわれています。
毎年7月21日〜31日は、国土交通省と林野庁が定めている「森と湖に親しむ旬間」です。この期間、全国の管理ダムを中心として、周辺の森林やダムの役割がより身近に感じられるようなイベントがおこなわれています。
例えば、国土交通省と水資源機構が管理するダムで作成され、この期間に配布される「ダムカード」はカードの大きさや情報の項目が全国で統一され、集める楽しさも味わえる工夫がされています。その他にも、青森県の世増ダムではダムの施設見学、愛媛県の石手川ダムでは水生生物の観察など趣向を凝らしたイベントで、ダムと周辺の森林環境について、学んで考えられる期間となっています。
参考:国土交通省
2021年10月に「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進 に関する法律」が施行され、都市の木造化が注目されるようになりました。「木」という字を分解すると、十と八になることにちなみ、木の日は10月8日になっています。また、林野庁でこれまで10月を「木づかい推進月間」として、木材利用促進に関する活動をおこなってきたものが「木材利用促進月間」として法定化されました。
近年では「身の回りのものを木に変える」「木を暮らしに取り入れる」「建物を木質化・木造化する」など、ウッドチェンジと呼ばれる行動を促すことを主体に、さまざまな取り組みがおこなわれています。
参考:林野庁
今年も3月の「国際森林デー」を皮切りに、緑の美しい5月には「みどりの日」、7月の「森と湖に親しむ旬間」、8月の「山の日」など次々と記念日がやってきます。秋に入れば10月の「木の日」や「木材利用促進月間」もあります。
各地で開催されるイベントに参加することでたくさんの学びがあることでしょう。まずは「知る」ためのきっかけに、記念日を意識してみるのはいかがでしょうか。
森未来では、森林ツアーなども企画し川上〜川下を繋げるイベントも行っています。気になる方は、ぜひ、お問い合わせください。
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