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2023.2.27
快適な暮らしに欠かせない防音材は、機能によって複数の種類があり、使用方法も異なります。本記事では、防音の仕組みで分けられる防音材の種類や特徴を解説するとともに、個人でも扱える防音材や防音対策を紹介します。
防音材の概要を押さえたい人や、対策したい騒音ごとの最適な防音方法を知りたい人はぜひ参考にしてください。
目次
防音効果を発揮する素材を総称して「防音材」と呼びます。防音材は、防音のメカニズムによって下記の4種類に分けられます。
それぞれの機能や特徴を説明していきます。
吸音材は、材料内部を通過する音のエネルギーを摩擦による熱エネルギーに変換することで、音を消滅させる仕組みです。吸音材に接した音は、反射するもの、通過するもの、消滅するものに分かれます。
元々の音に対する反射しなかった音(通過・消滅した音)の割合を吸音率といい、吸音材の性能を表します。内部に空気を多く含む多孔質のグラスウールやロックウール、音楽室などの壁に使われる有孔ボードがあります。
また、最近では環境配慮の観点からサスティナブルな防音材も登場しています。気になる方は、下の記事もご覧ください。
遮音材は、音を通さずはね返すことで音の侵入を防ぎます。
質量が大きい物質ほど音をはね返す能力が高くなるため、比重の高い鉛は優れた遮音材として知られています。音によっても遮音のしやすさは異なり、高い音は遮りやすく、低い音は遮りにくいです。
なお、音をはね返すだけでは、過度な反響音が問題となるので、吸音材と組み合わせて使うことが多い素材です。
衝突する2つの物体の間でクッションの役目を果たし振動が伝わりにくくなることで、音を低減するのが防振材です。代表的な防振材であるゴムは、洗濯機や冷蔵庫の脚にも使われ、振動を抑える役目を果たしています。
そのほかに、床に敷くコルクマットやジョイントマットも、足と床の衝突を和らげることで防音効果をもたらす防振材といえます。
震えている物体の振動を吸収し、音の発生を抑えるのが制振材です。防振材と似ていると感じるかもしれませんが、振動している物体そのものに貼り付けて使う点が異なります。
冷蔵庫や洗濯機の鉄板部分に貼って、鉄板の震えを抑えるシートや、マンションの壁の内側に貼るシートなどがあります。制振材単体で使う以外に、床の遮音マットのように、遮音材と一緒に使われることも多いです。
賃貸住宅では、音が気になっても大掛かりな防音工事は難しいので、自分でできる対策をとりましょう。ここでは、工事不要で使えるおしゃれな防音材を紹介します。
不快な反響音や音漏れを低減したいなら、吸音パネルを使ってみましょう。両面テープ、ピン、マグネットなどで壁に取り付けられるものを選べば、賃貸にも使えます。
また、機能性だけでなく、木を使ったデザインや、サイズ・カラーの組み合わせが可能なパネルなど、おしゃれな見た目が叶う商品もあるのでお気に入りの商品を見つけてみてください。
防音マットで階下に伝わる騒音を低減すれば、自宅で気兼ねなく過ごすことができます。サイズ調整しやすいタイルカーペットタイプや、ペットの足が引っかかりにくい素材、フローリングタイプなど種類も豊富なので、インテリアや生活スタイルに合わせて選びましょう。
市販の防音シート単体では、十分な防音効果を得るのは難しいため、吸音材と組み合わせて使用するとより効果的です。防音シートをロックウールやグラスウールなどの吸音材に貼り合わせて壁に設置するだけで問題ありません。手間を省きたい場合は、防音材と吸音材を貼り合わせた状態で販売している商品がおすすめです。
防音フローリングの施工も有効です。防音フローリングについて詳しく知りたい方は、下の記事もご覧ください。
身近なホームセンターにも、防音に使える素材が揃っています。
DIYが得意な人は、一度足を運んでみましょう。
小さな穴が等間隔に空いたボードを有効ボードと呼び、吸音材として防音対策に使えます。身近なところでは、音楽室や体育館、会議室の壁面に使われているのを目にしたこともあるでしょう。
音を吸収してくれるため、室内の反響音を抑え、快適な音環境に近づけてくれます。有効ボードと壁の間に、後述するグラスウールを設置するとより高い防音効果が得られます。
グラスウールは、ガラスからできた繊維質の素材で、内部に多くの空気を含み吸音性を発揮します。防音材・断熱材として住宅の壁や天井に入れて使われますが、DIYで使うなら、先述の通り防音シートや有効ボードと壁の間に設置するのがおすすめです。
触れたり吸入したりしても毒性はないため、安心して使えますが、体にとって異物であることには変わりありません。
作業時は手袋やメガネ、防塵マスクを着用し、換気をよくしましょう。
ウレタンスポンジは、吸音材として室内の反響音の防止に使用できます。軽くて加工しやすいため、壁や天井など設置場所を選ばない点がメリットです。
多用途な表面がフラットなタイプや、表面を波型に加工して吸音効果を高めたタイプなどがあります。
使い方によって、木材でも防音対策をすることができます。
面密度(単位面積あたりの質量)が大きい壁ほど、遮音する力は大きくなります。
建材の中でも木材の密度は低い方で、樹種にもよりますがほとんどは1g/cm3以下です。
コンクリートの密度は2.3g/cm3、板ガラスは2.5g/cm3なので、木材の壁で遮音するには工夫が必要です。
密度の高い樹種をなるべく厚く使い、二重にした壁の中に吸音材を入れるという方法をとれば、木質の壁でも高い遮音性が得られます。
音は、空気を介して伝わる「空気音」と物質を介して振動として伝わる「固体音」に分かれます。騒音が空気音か固体音かで異なる防音対策を、それぞれ具体的に紹介します。
空気音の騒音として、隣室から聞こえる話し声やペットの鳴き声が挙げられます。質量の大きいものほど音を遮るため、工事が可能であれば窓や壁の重量を増やすと効果的です。
ドアの開閉音は、建物に振動が伝わる固体音のため対策が難しいですが、通路から伝わる一部の空気音は、発生側として対策可能です。
ドアの隙間に緩衝材として隙間テープを貼ったり、ドアクローザーを設置したりすることで音を低減できます。
建物の構造体に伝わる固体音は、一般的に防音対策が困難です。
音の発生側として行うものが主流の対策です。階下へ響く足音や家具の移動音の低減には、厚めの防振マットを敷くのが適しています。
カーペットやコルクマットを敷いても、一定の効果があります。集合住宅でスピーカーを床に直接置くと、床に伝わる振動が固体音として建物全体に広がる恐れがあるため、スピーカーは防振ゴムの上に置き、床に伝わる振動を極力減らしましょう。
防音材は、音を低減する仕組みによって吸音材・遮音材・防振材・制振材に分けられます。
対策したい音の種類によって使い分けることが大切で、複数の防音材を組み合わせて効果を高めることもあります。
本格的な防音対策は、プロに診断や工事を依頼する必要がありますが、DIYで設置できる防音材も市販されているので、賃貸住宅でも可能な範囲で対策してみましょう。
また、森未来はサステナブルで高い防音機能を備えた床、壁の下地材も取り扱っています。気になる方は、ぜひ、お問い合わせください。
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