森林・木材のお得情報
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2023.4.28
広大な土地で酪農や農業が盛んな北海道。実は、北海道は木材も盛んな地域であることを知っているでしょうか。
本記事では、
を紹介します。
目次
北海道で生産されている木材のうち、以下の10種の特徴を解説していきます。
ミズナラは、ブナ科コナラ属の樹木です。高さは25m、直径1.5mにもなり、樹皮は単灰褐色から暗褐色で、不規則な割れ目が縦に入っています。
北海道に自生するナラ類の天然林は、単一種で構成されているものもありますが、それぞれの種が接近、重複している地域では、自然交雑により複数の種や雑種が入り混じった構成になっていると考えられています。
ミズナラの木材では、幅広い放射組織が作り出す帯状の模様「虎斑(とらふ)」が特徴的で、家具に使用すると大きな魅力となるため、人気の高い木材です。
クリはブナ科クリ属の樹木です。
食用のイメージがありますが、木材としても優秀な樹木です。木材の硬度を表す気乾比重の数値が高く、日本産材のなかでもトップクラスの耐久性を誇るため、元来、家を建てる際は、最小限でも土台にクリが用いられてきました。
しかし、硬さゆえに加工が難しいことと、広葉樹の中でも道管が太いことから、表面の仕上がりは荒く中庸です。
ヤチダモはモクセイ科トネリコ属の樹木です。高さ30m以上、直径1mほどになり、樹皮は厚く、色は灰白色から灰褐色で、成長につれて縦長の網目状に深く割れ目ができます。北海道全域で見られ、肥沃で水はけのよい湿潤地に生息しています。
ヤチダモの木材は、通直で均質な木目をしており、節や利用上の欠点が少ないため、家具材として人気の木材です。弾力性にも優れているため、バット材やソリなどスポーツ用品の素材としても使用されています。
シラカンバは、沼沢地や山地に自生している、カバノキ科カバノキ属の樹木です。高さ25m、直径1mほどになります。
北海道には、シラカンバの他にダケカンバやウダイカンバも生息しており、3種が混生することも多く、白い樹皮が似ていることから、一般には「白樺」と共通の名前で呼ばれることもあります。
さらにシラカンバは、他の2種と材質が類似するため、木材としても区別せず椛(樺)もしくは雑椛(樺)として流通することも多いです。
参考:シラカンバ・ダケカンバ・ウダイカンバ|地方独立行政法人北海道立総合研究機構
カツラは、カツラ科カツラ属で日本固有種の樹木です。高さ30m、直径2mを超えるものもあります。樹皮の色は灰褐色から黒褐色で、成長につれてねじれるように裂けた割れ目を作ります。街路樹や公園樹としても利用されており、北海道以外でも馴染みの深い樹木です。
カツラの木材は、柔らかく加工しやすく、また狂いが少ないため、重宝されています。表面もなめらかなため、建築材以外に、家具としても広く使用されています。
ハリギリは、センノキやセンとも呼ばれる、ウコギ科ハリギリ属の樹木です。主に平地や山地の中腹など肥沃な土地に生息しており、高さ25m、直径1mを超えるものも存在しています。樹皮は灰褐色から暗黒褐色で、厚く荒いという特徴を持っています。
柔らかく加工性に優れていますが、強度や耐久性はそこまで高くありません。木目の美しさから内装用の素材や家具材、器具材など幅広い用途で使用されています。
アカエゾマツは、「北海道の木」に指定されているマツ科トウヒ属の樹木です。蓄積量は針葉樹全体の4~5%で、高さは40m、直径は1.5mに達します。環境適応力が高く苗木の栽培も比較的容易であることから、道内では多雪地や冷涼湿潤地で主に生産されています。
幅広い用途に用いられますが、とりわけ音響性能に優れているため、楽器材としても使われています。
エゾマツは、マツ科トウヒ属の樹木です。アカエゾマツと同様に「北海道の木」に指定されています。高さ30〜40m、直径1m以上になることもあります。
道内では、エゾマツを植栽してきた歴史もありますが、寒さによる影響や虫害被害が目立つことから現在ではあまり造林されていません。成木になると枝が垂れ下がり優しい印象を与えるため「おんなまつ」と呼ばれ親しまれています。
木材は、比較的強度がありながら、加工性に優れているため、住宅部材、家具材やパルプ材などさまざまな用途に使用されています。
カラマツは、マツ科カラマツ属の樹木です。高さ30m、直径1mほどになり、樹皮は灰褐色で古くなると縦に裂けて剥がれ落ちます。
北海道では、総人工林面積の約3割、46万haがカラマツ林となっています。成長が早い上に、寒冷に強く、火山灰地や溶岩地など劣悪な環境でも適応できるため、信州から苗を輸入し、第二次大戦後の復興造林としてよく使用されてきました。
建築材や家具材、工芸材など広く使用されています。
トドマツは、マツ科モミ属の樹木です。高さ30m、直径0.6mほどになります。道内で最も蓄積が多い樹種で、人工林面積の約半分を占めています。直射日光が届きにくい場所でも生育することができ、葉の寿命は8年ほどです。
年輪がはっきりしているのが特徴で、色は一面白色もしくは薄い黄白色です。木理が真っ直ぐで材としては比較的軽く軟らかく、建築材やパルプ材として主に用いられます。
森未来では、上記で紹介したカラマツやトドマツのほか、ナラや道南杉を用いた意匠性の高い三層パネルも取り扱っています。気になる方は、下の記事もご覧ください。
北海道の森林面積は、554万haと全道面積の71%にあたり、全国の森林面積でいえば22%の高さを誇ります。林種別では、人工林約30%に対し、天然林が約70%を占めていますが、現在は人工林の伐採が約90%となっており、人工林材を中心とした素材生産が行われています。
林業従事者数は、以前は減少していたものの、人工林内の樹木が伐採適齢期を迎えたことによる伐採事業の増加、林業機械の導入による作業効率の向上などにより、2013年以降は横ばいで推移しています。ただし、60歳以上の林業労働者の割合は33%と依然高いままです。
バイオマスとは、再生可能な有機性資源(化石燃料は除く)のことで、その中でも木材からなるバイオマスを「木質バイオマス」と呼びます。具体的には、森林を伐採した時の枝や葉、製材工場で発生する樹皮やおがくずなどです。
北海道では、木質バイオマスを利用した発電施設や熱利用施設が増加しており、令和3年度現在、167施設が稼働しています。当然、木質バイオマス由来のエネルギー利用量も増加しており、平成28年度には89万㎥だったものが、令和3年度には148万㎥と著しく増加しています。
令和5年2月現在、北海道木材の市場価格は下記のとおりです。
形量・品質 | 全道価格(円) | |
---|---|---|
トドマツ(素材) | 径30~38㎝ 長3.65m 品等込 | 14,500 |
カラマツ(素材) | 径14~18㎝ 長3.65m 品等込 | 11,700 |
エゾマツ(素材) | 径30~38㎝ 長3.65m 品等込 | 14,500 |
ナラ(素材) | 径30~38㎝ 長2.4m 上品等3等 | 35,800 |
エゾマツ・トドマツ(製材) | 厚10.5㎝×幅10.5㎝ 長3.65m 甲Ⅱ-2級 | 65,800 |
ナラ(製材) | 厚2.7㎝×幅15㎝上 長2.0m以上 板類1等 | 285,300 |
人気が高まっている道産材を発信している組織やブランドは多くありますが、本記事では、下記2つを紹介します。
どちらの組織、ブランドも工夫し道産材をアピールしています。
北海道木材産業協同組合連合会(道木連)は、北海道の木材産業を総括している団体です。先人たちが守り継いできた森林資源の価値を高めたり、地域の雇用や経済を守ったりできるような活動を行っています。
具体的には、道産材をHPで販売したり原木生産支援事業として道産材の安定供給を図るために支援金を交付したりしています。
HOKKAIDO WOODは、北海道産材を使用した木材製品のブランド名称です。
ブランド公式サイトでは、道産材を使用した製品を販売する企業の紹介や北海道の林業に就きたい方への情報提供など北海道の木材に関わる情報を発信、サポートをしています。
最近では、道産木材製品の販路拡大に向けたWeb研修会を開催しており、道内の木材製品企業をさらに盛り上げるための活動も行っています。
北海道の厳しい寒さに負けないように育った木材は、住宅や家具を作る際の良質な素材となります。
これまで木材に触れることが少なかった方も、道産材の家具を購入してみるのもおすすめです。
また、良質な木材を使用し多様な製品を販売しているブランドも多くあります。
家具を買うまでは踏み切れないという方は、キーホルダーや小物など生活のなかに小さな木材製品を取り入れてみてはいかがでしょうか。
森未来は木材情報を集約したプラットフォーム「eTREE」を展開しています。プロの木材コーディネーターが、あらゆる木材の調達や加工をサポートします。木材の調達・加工にお困りであればぜひご相談ください。
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