森林・木材のお得情報
この記事をシェアする
2023.1.23
「DIYに使いやすくて軽い木材はどんなものがある?」
「軽い木材の中でホームセンターでも購入できるものはどんなもの?」
上記のような疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、
について解説します。
軽くて取り扱いやすく、DIY作品のクオリティを上げるような木材を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
木材は無数の紡錘形細胞の集合体であり、主要成分である「セルロース・リグニン・ヘミセルロース」と空隙によって主に構成されています。そんな木材の重量を決めるのは、「細胞壁厚の違い」です。
厚みが違う、すなわち空隙部分が少なく密な状態である木材は一般的に重量が重く、空隙部分が多いと重量が軽くなります。そして、木の重さを数値で表したものが「気乾比重」です。
気乾比重とは、乾燥した木材の重さと同じ体積の水の重さを比較した値で、気乾比重が「1」を超えるものは水に沈みます。そのため数値が小さいほど軽く、大きいほど重くなります。
木材には、大きく分けて以下の3種類があります。
用途に合わせて適切な木材を選択できるよう、木の種類と合わせて知っておきましょう。
無垢材とは、天然の原木から切り出したした素材です。切り出しているだけのため、木が本来持っている湿度を調整する「調湿機能」もあります。
しかし、サイズの大きな木材を切り出すためには、大きな原木が必要になるため、比較的高価になる傾向にあります。木本来の木目や肌触りがあり、木の種類ごとに楽しめる材です。
集成材とは、ラミナを繊維平行方向に揃えて積層接着させた木質建材です。加工時に含水率が規定されているため、水分によるそりやひずみが少ないのが特徴で、木材の「狂う」という短所を最小限に、「軽くて強い」という長所を最大限活かした木質建材とも言えます。
参考:集成材製造業:林野庁
合板は、木材を薄く剝き板を乾燥させ、繊維直行方向に積層接着したものです。合板は種類によって耐久性の異なる接着剤が使用されていることもあるため、使用環境や使用目的に合った合板を選択するように注意しましょう。
合板についての詳しい解説は、以前まとめましたので以下を参考にしてみてください。
DIYにも使いやすいおすすめの軽い木材は以下の7個です。
樹種 | 気乾比重 |
---|---|
バルサ | 0.15〜0.20 |
赤松 | 0.53 |
キリ | 0.19〜0.30 |
スギ | 0.38 |
ヒノキ | 0.41〜0.45 |
ファルカタ | 0.37 |
タモ | 0.62〜0.71 |
あわせてDIYに使いやすい木質建材「パイン集成材」、「SPF材」、「MDF材」など、合計10個の木材および木質建材について紹介します。
バルサ材は、アオイ目バシヤ科の広葉樹「バルサ」から取れる木材です。気乾比重は0.15〜0.2で、世界で最も軽くて柔らかいことで知られています。切り出しや加工は極めて簡単で、カッターナイフでも切れるほどです。
軽くて水に浮きやすい特徴を活かして、救命具や釣具のルアーなどに使用されています。簡単に加工できるため、DIY作品としては、車や飛行機の模型、オーナメントやモビールに使用されています。
赤松は、マツ科マツ属の常緑針葉樹です。常用針葉樹は年間を通して、葉を落とす時期がない木のことです。木材を丸太にした時、中心に近い「心材」は黄色を帯びた淡褐色、より外側に近い「辺材」は淡い気黄白色をしています。気乾比重は0.53と、比較的柔らかく加工が簡単な上、耐久性に強いため、汎用性の高い木材です。
建築材や土木材、船舶材、杭木など幅広く用いられています。特に、脂を含んだものは、肥松(こえまつ)と呼ばれ、貴重な材として飾り棚や茶道具に使用されています。
キリ(桐)は、ゴマノハグサ科キリ属の落葉広葉樹です。落葉広葉樹とは、一年で一斉に葉を落とす時期がある広葉樹のことです。気乾比重は0.19〜0.30と、日本の木材の中で最も軽いと言われています。くすんだ白色で美しい見た目をしていますが、アク抜きを怠ると年月を経る毎に黒ずんでしまうため注意が必要です。
割れや狂いもなく加工が簡単なため、使いやすい木材である反面、強度は劣ります。家具や楽器、箱材など幅広い用途で使用されています。
スギ(杉)はスギ科スギ属の常緑針葉樹です。日本固有の樹種であり、青森県から屋久島まで広く分布しています。気乾比重は0.38です。辺材は白色で、心材は淡紅色から赤褐色、まれに黒褐色を帯びていることがあります。
材質はやや柔らかく、比較的加工は簡単です。建築用材として多く使用されますが、木目に沿って割れやすい性質を利用して樽桶材や割り箸としても利用されています。ただし、天然木と人工木では、成長過程の違いによって気乾比重や強度が変動する場合があります。
ヒノキはヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹です。日本特産種で、本州中部から四国、九州、屋久島など広く分布しています。気乾比重は、0.41〜0.45です。辺材は淡い黄白色、心材は黄白色か淡紅色で、表面の仕上げ方次第では特有の光沢を出すことができます。
一般的に湿度や水分に強く、ほとんど狂いがないとされ、神社や仏閣の建材として使用されてきました。DIYでは棚やテーブル、フローリングなどに使用されています。
ファルカタは、マメ科Albizzia属の広葉樹で、主に東南アジアや太平洋地域に造林されています。気乾比重は0.37と軽く、木質は柔らかく加工が簡単です。ただし、虫や菌の被害を受けやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
やや粗い肌目ですが、表面の仕上がりはきれいで、家具用芯材や梱包用材などに使用されています。DIYでは、飾り棚やゴミ箱など、広く利用されています。
タモは、モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹です。色調は全体的に黄白色で、不鮮明な淡い黄褐色の心材を形成することもあります。気乾比重は0.62〜0.71です。木質はやや重硬で強じんですが、木肌は緻密で見た目にも美しい木材です。
スキー板やテニスラケットなどの運動用具材、高級な家具材として使われています。DIYでもタモを使用した椅子や机を製作している方もいます。
パイン集成材は、マツ科の針葉樹であるパインの木片を接着剤などで張り合わせた木材です。軽量で柔らかく加工しやすい上、使用用途に合わせやすいように様々なサイズ、厚みを選択できるのが特徴です。
無垢材に比べて反りなどの変化が少なく、家具やインテリアの材料にすれば長期間使用できます。長期間使用することで、飴色へと変化していくのも魅力です。無垢材のように気温や湿度によっての変化が少ないため、DIY初心者の方におすすめの木材です。
SPF材は以下の3種類の木を総称したものです。
いずれの木も成長が早い反面、密度が低くなるため、耐久性はあまり高くありません。
大量に生産されているため、無垢材であっても安価で手に入れられるのが特徴です。
建材としても利用されていますが、適度に柔らかく、加工が容易なため家具やウッドデッキの材料としても使用されます。
参考:SPF材とは? 木材の種類と選び方|ロイヤルホームセンター
MDF(Medium density fiberboard)材は、木材チップを原料として、合成樹脂で成形したものです。木材を繊維まで細かくしてから加工するため、無垢材で見られる割れや腐れなどの欠点がなく、均質で大きな板に成形できます。
表面が硬く、水や湿度による変化の少ないことが特徴です。住宅用の建材として、ドアや窓枠、収納家具の扉などに使用されています。100円均一ショップでも販売されているため、DIY初心者でも気軽に扱える木材です。
MDFについての詳しい解説は、以前まとめましたので以下を参考にしてみてください。
今回紹介した木材は、DIY初心者でも手軽に購入できるものですが、軽いだけでなく素材の丈夫さから家具や建材として使用されてきた木材もあります。使用用途に合わせて木材を選択し、DIYを楽しみましょう。また、今回は軽い木材についての解説でしたが、反対の重たい木材についても解説しています。ぜひ、ご参考ください。
森未来では、今回紹介した木材・木質建材だけでなく様々なものを取り扱っています。気になる方は、ぜひ、お問い合わせください。
おすすめの記事