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2023.1.30
「軟らかい木材にはどんなものがある?」
「軟らかくてDIYに使いやすい木材がどんなもの?」
DIYを趣味にしている方の中で、上記の疑問をお持ちではありませんか?軟らかい木材は加工しやすく、肌触りが良いことに加えて、暖かみのある見た目であるためDIYに使用したいと考えている方もいるでしょう。
そこで本記事では、
暖かみのあるDIY作品を製作したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
木材の重さを分かりやすく数値化したものを「気乾比重」といいます。
気乾比重は、乾燥木材の重量と同体積の水の重量を比較した値で、一般的に気乾比重と硬度は密接な関係があるとされています。すなわち、気乾比重が低いものが軟らかく、反対に高いものが硬いというわけです。
学術的に硬度測定を行う場合には、ビッカース硬さ、ブリネル硬さ等を指標としますが、今回の記事はあくまで比重と硬さを密接に関係していることから、気乾比重を指標として紹介します。
ホームセンターで購入できる木材の種類には以下の3種類があります。
同じ木から取れる木材でも加工方法によって見た目や特徴も異なります。
まずは、木材の種類を知っておきましょう。
無垢材は、天然木から切り出した木を一枚の板などへ加工したものです。自然の木をそのまま使用しているため、豊かな木目の表情や節など天然素材特有の唯一無二の柄を楽しめます。
種類によっては経年によって色を変化させるものもあり、時間の変化によって様々な表情を見せてくれるでしょう。また、カット加工のみのため、木が本来持っている、適度な湿度に調整する「調湿作用」も持っています。
合板とは、原木を薄くスライスした板を、接着剤で複数枚張り合わせたものです。繊維直行方向になるように積層させるため、等方性を付与した木質建材で、寸法安定性や耐久性にも優れています。
無垢材とは違い、一本の丸太から合板の材料を多く得られるため、大きな板でも安価で購入できる点も大きな特徴です。また、使用される樹種も豊富なため、合板の中でも用途に応じて使い分ける事ができます。メリットが多いことから、DIY以外に建築材や家具など幅広い用途で使用されています。
また、合板について詳しく知りたい人は、こちらをご参考ください。
ひき板や小角材などの小断面材を繊維平行方向にそろえ、厚さ・幅・長さの方向に接着した木質材料のことです。無垢材の欠点である膨潤収縮や強度のばらつきをカバーする材料として主に建材として使用されています。またテーブルの天板や棚板などのDIYとしてもよく用いられています。
参考:集成材製造業:林野庁
無垢材の中でDIYに利用しやすい木材を以下の5つ紹介します。
それぞれの色合いや特徴をわかりやすく紹介いたします。
桐は、ゴマノハグサ科の落葉広葉樹です。落葉広葉樹とは、一年の間で葉を落とす時期があり平べったい葉をしている木のことを指します。気乾比重は、0.19〜0.4で国産木材の中では最も軽くて軟らかいと言われています。
より中心に近い「心材」は淡褐色、より外側に近い「辺材」は、淡色であり、色の差はあまりありません。野生のものはなく、北海道南部から南で植栽されています。
全て植栽されたものですが、近年日本でのキリ需要が高まっていることから中国や台湾、米国などから大量に輸入されています。
スギは、ヒノキ科の常緑針葉樹です。常緑針葉樹とは、一年中葉をつけているものの内、葉が針のように鋭いものを指します。気乾比重は、0.30〜0.38で、日本産の針葉樹としては比較的軟らかい木材です。
心材は桃色〜濃赤褐色、辺材は白色と明確に色が違います。心材はまれに黒くなっている「黒心」がありますが、見た目が美しくないため、大幅に価値が低くなります。加工しやすく汎用性が高いため、建材や家具、下駄など使用用途の範囲が広い木材です。
また、木目にそって割れやすいという特徴を活かして割り箸の原料にもなっています。
また、杉にも様々な種類の杉があります。特に銘木と呼ばれる希少性の高い杉もあり、観光スポットや高級杉として人気を博しています。気になる方は、こちらのまとめを参考にしてみてください。
ヒノキは、ヒノキ科の常緑針葉樹です。植栽も天然も存在し日本各地で有名な産地があります。スギとともに日本の代表的な木材ですが、一般的にヒノキの方が高級なものとされています。
気乾比重は、0.34〜0.54で心材は、淡紅色で辺材は白色です。上手に仕上げることで、美しい光沢がでることが、高級な木材として評価されている点です。神社や仏閣の建材として使用されており、現在では、木型、桶などにも使用されています。
イチョウは、イチョウ科の落葉針葉樹です。「落葉」とは一年の間で葉を落とす時期がある木のことを指します。気乾比重は0.55で、加工がしやすく仕上がりのよい木材です。心材と辺材はどちらも淡黄色を示しており、差はほとんどありません。
加工がしやすく均質性のある木材ですが、耐久性は低いため、衝撃が加わりにくいような将棋盤やまな板、天井板などに使用されています。
アカマツは、 マツ科の常緑針葉樹です。気乾比重は0.42〜0.52です。心材はやや淡桃色から赤褐色を帯びたもので、辺材は黄白色をしています。春から夏にかけて作られた細胞の形が大きく違うため、年輪がはっきりとしていますが、肌目は粗いです。
木材の形が悪いことや変色することもあるため、見た目が影響を与えない、床板や敷居などの建材や杭木、薪などに使用されています。
無垢材は木本来の雰囲気が味わえますが、合板や集成材などの木質建材にも軽くて使いやすいものがあります。ここからは、おすすめのDIYにおすすめの合板や集成材を紹介します。
ラワン合板とは、フタバガキ科という広葉樹を素材とした合板です。木目が薄く表面はザラザラしています。軟らかいだけでなく、適度な硬さを持っているため、DIY初心者でも扱いやすい木材の1つです。
以前のラワン合板は、接着している板が外れやすく、裏面に汚れや虫食いが見られることも少なくありませんでしたが、最近のものは質が向上しており、トラブルが少なくなっています。
パイン集成材とは、マツ科の木である「パイン」の間伐材などを接着剤で張り合わせたものです。
節や割れた部分は取り除かれているため、きれいな見た目をしていますが、広い一枚板や太い角材でも手頃な価格で購入できるため、インテリア家具の材料として人気があります。無垢材と比較すると、ヒビや狂いが出にくく、柔らかいためDIY初心者でも加工しやすい木材です。
また、使用していると飴色になっていくため、経年変化も楽しめます。
軟らかい木材はDIY初心者でも扱いやすい素材ですが、長期間使えるような耐久性や強度に不安が残るものもあります。そこでここからは、密度や強度が高い木材を4つ紹介します。
木材名 | 気乾比重 | 特徴 |
---|---|---|
リグナムバイタ | 1.24 | ハマビシ科の広葉樹。世界で一番硬いといわれている木材。 |
コクタン | 0.98 | カキノキ科の木材。仏壇やゴルフクラブのヘッドに使われている。 |
イスノキ | 0.75〜1.02 | マンサク科の常緑高木。フローリングや楽器などに使用されている。 |
アカガシ | 0.80〜1.05 | ブナ科の常緑広葉樹。かつては、器具材や建材に使用されてきた。現在は、木刀やゲートボールなどに使用されている。 |
もちろん強度が高いことは、メリットばかりではありません。硬い木材は、密度も高いため、加工が難しく、怪我をするリスクもあります。
また、硬い木材について詳しく知りたい方は、ぜひ、こちらをご参考ください。
▷硬い木材10選!世界で一番硬い木材とは?DIYの時に注意するポイントも解説!
軟らかい木材はDIY初心者でも扱いやすく、思った通りの作品が作りやすくなる素材です。しかし、加工がしやすい反面耐久性が弱く、作品によってはすぐに壊れてしまう場合もあります。メリットばかりで木材を選択するのではなく、使用用途や自分のDIYスキルを考慮して木材を選択しましょう。
森未来では、様々な木材を取り扱っています。気になる方は、ぜひ、お問合わせください。
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