木材加工

2023.2.2

オイル塗装とウレタン塗装の見分け方|家具の手入れや補修方法も解説

eTREE編集室

多くの木材製品に施されている塗装ですが、代表的なものにオイル塗装とウレタン塗装が挙げられます。この記事では、この2つの塗装の特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法など包括的に解説します。

オイル塗装とウレタン塗装の見分け方

「オイル塗装」と「ウレタン塗装」は塗料の種類が大きく異なります。そして、家具やフローリングなど、身近な木材製品がどちらの塗装かを見分けたいなら、つや感手触りをチェックしてみましょう。

ウレタン塗装は表面に樹脂塗膜がつくられるため、つやがありツルツルとした肌触りになります。一方で、オイル塗装は木の質感を直に感じ、光沢がない塗装で自然な仕上がりになります。

しかし、最近ではオイル塗装の見た目に近いつや消しのウレタン塗装も登場しており、両者の見分けが難しいケースも出てきています。

塗装の種類

木製家具を塗装する目的は2つあります。液体に弱く汚れがつきやすい木材を保護し、木材製品を長期間きれいな状態に保つことと、より美しく見せることです。また、塗装の種類はオイル・ウレタン塗装以外に以下のような塗装もあります。

  • UV塗装
  • ラッカー塗装
  • ポリエステル塗装

様々な塗装を知りたい方は、ぜひ、こちらの記事を参考にしてみてください。

他にも、徳島の伝統的な「藍染」を活かした「藍建材」もあります。抗菌作用や防臭作用といった機能を付与することができます。

気になる方は、下の記事もご覧ください。

オイル塗装とウレタン塗装の特徴

オイル塗装は表面に塗膜を貼らず浸透していく塗装です。一方、ウレタン塗装は吹きつけたポリウレタン樹脂が表面で固まり、プラスチックのような膜を作ることで木を保護します。それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

オイル塗装|木材本来のよさや経年変化を楽しめる

表面に塗膜を貼らないので、木材本来の手触りや香りを感じられるのがオイル塗装のメリットです。木にこだわり、質感を活かしたい場合にぴったりの塗装方法かもしれません。使い込むほどに味が出て、唯一無二の存在に「育って」いくのも醍醐味なので、経年変化を楽しみたい人に向いているでしょう。一方で、水分を吸収しやすく、濡れたものを置きっぱなしにするとシミができやすいというデメリットもあるので注意しましょう。

ウレタン塗装|水分や汚れに強い

表面に樹脂膜ができるので、水や汚れに強いのがウレタン塗装のメリットです。日常の手入れも簡単なので、手間をかけたくない人に向いています。以前のウレタン塗装は、プラスチックのような質感が避けられることもあったようです。

しかし、現在は塗装技術の進歩で、オイル塗装の見た目に近いマットな仕上がりのウレタン塗装もあります。一方、傷は付きにくいが、付いた傷は白っぽく目立つ、長年の使用で塗装が剥がれた場合、自宅でのメンテナンスは難しい、といったデメリットがあります。

オイル塗装とウレタン塗装で異なる家具などの手入れやメンテナンス

オイル塗装とウレタン塗装は性質が違うので、日常の手入れ方法も異なってきます。間違った手入れは、製品の美観を損ね、寿命を縮めることにもなりかねないので、正しく理解しておきましょう。本章では具体的な方法を説明していきます。

オイル塗装|水分に注意

オイル塗装は水分に弱いので、日常のお手入れは乾拭きが基本です。とはいえ、ダイニングテーブルなどは、乾拭きだけというのは現実的ではありません。水拭きする場合は、仕上げに乾拭きをして水分を残さないようにしましょう。

汚れがひどい場合は、薄めた中性洗剤で拭いてもかまいませんが、水拭きで洗剤を拭き取り、最後は乾拭きで仕上げるといいかもしれません。また、水拭きを繰り返すとオイルが抜けてカサついてくるので、年に数回、定期的にオイルを塗るなどしてメンテナンスしましょう。

オイル塗装|多少の傷は補修可能

オイル塗装は、自宅でメンテナンス可能です。使用に伴って、徐々にオイルが抜けてくるので、カサつきを感じたらオイルを塗り込むことをおすすめします。オイルが浸透すると、しっとりした手触りや深みのある色が戻り、細かい傷・シミも目立たなくなります。

拭くだけでは落ちない傷やシミが気になる場合は、サンドペーパーで表面を削った後、オイルを塗るという方法もあります。

ウレタン塗装|基本水拭きだけで十分

ウレタン塗装の手入れは、水拭きもしくはお湯拭きだけで十分でしょう。内部に水や汚れが染み込まないので、それほど気を配る必要はありません。汚れがひどい場合は、オイル塗装と同様、薄めた中性洗剤、水拭き、乾拭きの順番で手入れします。

また、ベンジンシンナーなどの有機溶剤はウレタン塗装を傷める可能性があるので、使わないようにしましょう。

ウレタン塗装|塗り直しは専用工房・工場に依頼

強固なウレタン塗装も、20〜30年ほど経つと剥がれてくることがあります。設備や技術が必要なので、専用の工房・工場に依頼するのが無難かもしれません。ただ、費用もそれなりにかかり、少なくとも7〜8万円、高い場合は10万円程度するでしょう。

参考:ソリウッド・プロダクツ

オイル塗装がおすすめの樹種

木の質感を活かせるオイル塗装に向いている樹種をご紹介します。

まず、チークやウォールナット、ブラックチェリーなどの色味がある樹種です。オイル塗装はしっとりした濡れ色に仕上がるので、本来の色味をより美しく引き出してくれます。

そのほかに、ナラやタモ、アッシュなど木目のはっきりした樹種も、オイル塗装と相性がいいでしょう。オイルが浸透すると木目の美しさが際立つので、豊かな木の表情を堪能できます。

参考:オイル塗装とワックス塗装、どう違う?​​|株式会社マルホン

まとめ

木材の代表的な塗装であるオイル塗装とウレタン塗装は、どちらも木を保護して汚れや劣化を防ぐとともに、意匠性を持続させてくれます。どちらの方が優れているということはなく、両者ともいい面・悪い面をあわせ持ちます。それぞれの暮らし方や家族構成、価値観などに照らし合わせて、より満足できる方を選ぶことが大切です。

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