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2023.5.12
建設現場で利用する建材には「コンパネ」「合板」など、種類豊富な木質建材があります。しかし、それぞれの違いが分からないとお困りではないでしょうか。
中には、今すぐ木質建材を調達しなければならないが、種類の違いが分からず、どれが必要なのか判断できないとお困りの方もいるでしょう。
本記事では、混同されがちなコンパネ・合板の違い、コンパネを使用する魅力などを解説します。
コンパネの使用事例も紹介するので、さまざまな用途で利用される木質建材の特徴をご確認ください。
目次
大前提の知識として、コンパネや合板は関係性の近い建材です。具体的な違いを理解していただくため、コンパネ・合板に関わる関係図を以下に整理しました。
上記からも分かるように、コンパネ・合板はどちらもベニヤ板からできています。ベニヤ板を複数枚重ねて製造されたものを「合板」と呼び、合板の用途のひとつに「コンパネ」と呼ぶのです。
本記事では、この関係図をもとに、コンパネと合板の特徴を詳しくご紹介します。
コンパネとは、合板の一種であり、コンクリート型枠として利用する木質建材のことです。正式名称を「コンクリート型枠用合板」と呼び、コンクリートを流し込んで成形するパネルとして利用します。
また、コンパネ特有の特徴が、鏡面仕上げを施された見た目です。
コンパネと別種にあたる「普通合板」「構造用合板」は、建築物の下地材として利用されるため、鏡面仕上げを行いません。一方、コンパネはコンクリートの成形に利用する型枠の役割があり、コンクリートの固化後にはがしやすくする目的から、ツルツルとした滑らかさをもたせてあります。
合板とは、ベニヤ板を複数枚重ね合わせて接着した木質建材のことです。ベニヤ板の繊維を互い違いになるように貼り重ねており、耐久性、防水性、耐久性に優れます。
また、合板はベニヤ板を重ね合わせて製造するため、下表のように厚みを調整できるのが特徴です。2.3mm〜35.0mmの範囲で加工でき「普通合板」「構造用合板」「ベニヤ板」として使い分けられます。
また、合板に利用するベニヤ(veneer)とは、樹木を桂剥きした薄い板のことです。合板として厚みを持たせることによって、強度や性能を高められます。
コンパネや合板の違いをより深く理解していただくために、以下の3要素の違いについて解説します。
コンパネを含む、すべての合板について整理しているので、ぜひ参考にしてください。
合板にかかわる以下の3種類は「基準となるサイズ」「価格」が異なります。それぞれの違いをみていきましょう。
普通合板 | 構造用合板 | コンパネ |
---|---|---|
910mm×1820mm×2.3mm | 910mm×1820mm×12mm | 900mm×1800mm×12mm |
約1,300円 | 約2,400円 | 約2,300円 |
参考:一丁一本参考価格表(令和6年5月度)|東京木材問屋協同組合
合板のサイズは一般的に「サブロク(3尺(910㎜)×6尺(1820㎜)」が基準ですが、これ以外にもさまざまなサイズの合板が販売されています。
価格帯も、流通価格の増減やメーカー価格の違いがあるため、購入時の値段の変化に注意してください。
合板は、種類によってホルムアルデヒド放散量が変化します。
ホルムアルデヒドとは、刺激臭のある気体であり、接着剤や塗料などに含まれている成分のことです。ホルムアルデヒド放散量が多いと、せきや鼻水、失神などを引き起こす「シックハウス症候群」を引き起こす場合もあるので注意してください。
また、ホルムアルデヒド放散量は「F」と「☆の数」で評価します。例えば、建築物に利用される普通合板、構造用合板は最大「F☆☆☆☆」まで、型枠として利用するコンパネは最大「F☆☆☆」まで性能区分が設けられています。
合板は、利用する種類によって以下のような強度の違いがあります。
合板はJAS規格として「類別(接着の強度)」「等級」「板面の品質」という品質表示が定められています。
類別、等級は試験(曲げ・せん断)を実施して、基準値を満足することにより決定する特徴です。また、板面の品質は接着に対する評価にて決定します。
構造用合板は構造耐力上主要な部分に利用するため、普通合板、コンパネよりも強度が高く設定されています。
普通合板 | 構造用合板 | コンパネ |
---|---|---|
1類、2類 | 特類、1類 | 1類 |
– | 1級、2級 | – |
1等、2等、3等、4等(表板に広葉使用) A、B、C、D(表板に針葉樹使用) | A、B、C、D | A、B、C、D |
参考:日本合板工業組合連合会
コンクリート型枠として利用するコンパネには、以下に示す3つの魅力があります。
もしコンクリート型枠用の建材をお探しなら、それぞれの魅力を理解したうえでコンパネの利用を検討してみてください。
コンパネは、製品によって異なりますが、基準サイズ910mm×1820mmなら、およそ2,000円程度とリーズナブルな価格で購入できます。また、以下に示す集成材といった他の木質建材よりも安価で手に入るのが魅力です。
参考: WOODMALL
コンパネは一般的な建材として流通しており、サイズや厚さのバリエーションが豊富ですので、さまざまな現場のコンクリート型枠に利用できます。
コンパネは、ベニヤ板の繊維を互い違いに重ね合わせて接着した合板の一種であるため、非常に優れた強度を有しています。例として、以下に示す曲げ剛性の強度を満足するコンパネが販売されています。
表示厚さ(mm) | 曲げヤング係数 (GPaまたは10^3N/mm2) 長さ方向スパン ※幅方向スパン:2.5 |
---|---|
12 | 7.0 |
15 | 6.5 |
18 | 6.0 |
21 | 5.5 |
24 | 5.0 |
出典:使用用途に対応するコンクリート型枠合板 |日本合板検査会
コンクリートを流し込んで養生する際の圧力にも耐える力を持っており、変形しづらいのが魅力です。簡単には変形しない建材であるため、ゆがみなどがない限り繰り返し使用できます。
コンパネは他の合板と違い、鏡面仕上げが施されているため、耐水性に優れています。
コンクリートに含まれる水分がコンパネに浸透することを防止できるほか、雨風に耐えるため型枠としての機能を最大限発揮できるのが魅力です。
最後に、コンパネを含む合板の使用事例を2つご紹介します。目的に適した使い方ができるのか、ぜひ参考にしてみてください。
コンパネは、コンクリート型枠として用いられるのが一般的ですが、高い強度および加工の容易さを活かして、DIYに利用できます。合板の木目を活かして、温かみのあるウッディな雰囲気を生み出せるほか、塗装を行うことによって、室内インテリアに合う空間をつくり出せるのがポイントです。
コンパネを含む合板は、ホームセンターで長さを調整して購入できること、のこぎりなどで簡単に形状を調整できることから、室内リフォームの材料として利用できます。室内に温かみのある雰囲気をほか、壁や床に利用するコンパネの色味を変えることで、海外風のおしゃれな空間を生み出せるのが魅力です。
さまざまな種類がある木材の中でも、強度増加を目的として製造されたのが木質建材の「合板」です。
また、合板には「普通合板」「構造用合板」「コンパネ」など、用途が異なる3種類の木質建材があります。その中でもコンパネは、コンクリート型枠としての用途だけではなく、DIYの材料として人気です。もしインテリアや室内リフォームなど、DIY用の材料をお探しなら、価格がリーズナブルで、鏡面加工が施されているコンパネを利用してみてはいかがでしょうか。
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