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近年、DIYを好む人たちの間で「足場板」の人気が高まっているのはご存じでしょうか。
自然と使い古されたヴィンテージ風の味わいが、ナチュラルなインテリアやエクステリアになじみやすいとして興味を持つ方もいることでしょう。
そこで今回は「足場板の規格や強度はどうなっているのか」「DIY用足場板のメリットやデメリットは何か」「どこで手に入れるのか」と気になる方に向けて、足場板について、詳しく解説していきます。
目次
足場板とは、工事現場などで作業時に使用する足場に使う作業床板のことです。高所で作業員の体重を支える目的で使われるため、高い強度を持っています。
通常、長期間使用し劣化した足場板は、作業員の安全を守るため廃棄されますが、近年使い込まれた足場板の風合いが好まれており、DIYの素材としても人気を集めています。
足場板には、主に以下の3種類が存在しています。
近年、強度や耐久性を理由にスチール製やアルミ製のものが主流となっています。とはいえ、木製の足場板しか使用できない場面もあり、それぞれに適した環境で使い分けられています。
ここでは、素材ごとの特徴について解説していきます。
スチール製足場板は、木製の合板足場板よりも30%ほど軽量です。そのため運搬や取り扱いもしやすく、多くの現場で使われています。
また、スチール製足場板はアルミ製よりも重量があるため、強度が非常に高く荷重に対するたわみも少ないことが、大きな特徴です。
主に、重量のある材料を運ぶ必要がある現場で、作業床として使用されます。
アルミ製の足場板は、スチール製足場板よりもさらに軽量化されているため、高所での作業でも取り扱いしやすく、効率のよい作業が可能となります。
軽量であり、運搬にかかる労力、コスト共に軽減できることから、近年、人気が高まっています。
さらに経年劣化によって強度が低下する危険性も少ないため、耐久性、安全性ともに優れた足場板として評価を得ています。
木製足場板は大きく分けて「合板足場板」「杉足場板」の2つに分かれます。
合板足場板は、複数の単板を木目方向に直交するよう接着して作られます。
このように作られた合板足場板は伸縮しにくいため、乾燥や湿気による膨張や収縮などによる寸法の狂いが少なくなることが特徴です。
合板足場板は、JAS材であり強度が高いため、金属足場板ではできない、釘打ちや場所に合わせた切断ができるというメリットがあります。JAS材とは、法律に基づいた規格によって判断された、品質が保証されている製品のことです。
JAS材の規格や事例について詳しく知りたい方は、下の記事もご覧ください。
杉足場板は、伐採された国産杉を利用して作られます。滑りにくい特徴があり、番線で締めやすいことがメリットです。ただ、温度や湿度の影響で木材が伸縮し、寸法が狂ってしまうこともあります。
現在、関西より西の地域で人気がありますが、関東以北での使用は限定的となっています。
杉足場について詳しく知りたい方は、下の記事も参考ください。
木製の足場板は、3年から5年ほど経過すると劣化によって強度が低下すると新しいものと交換されます。ただ、近年では使われなくなった足場板を、DIY用の古材として再利用する人が増え、その人気が高まっています。
自然に使い込まれた雰囲気により取り入れるだけでヴィンテージ風の雰囲気を醸しだせます。
足場板をDIY用するメリットとして以下の3つの特徴が挙げられます。
それぞれ詳しく紹介します。
ナチュラルなインテリアになじむ家具を自分で作る場合、新しい木材を使用すると、塗装などでヴィンテージ加工をして雰囲気を出す必要があります。
ところが足場材の場合、使い込まれた木材であるため、わざわざヴィンテージ加工をすることなく自然な風合いを楽しめます。風合いを生かしてインテリアで飾り棚を作るほか、外壁やウッドデッキなどエクステリアとしても楽しめるのも魅力です。
一般的に古材は解体した古民家などから回収することが多いため、サイズが不揃いであったり、必要な数量を揃えるのが難しかったりします。
その点、足場材は作業用の床として労働安全衛生法に基づき、決められた寸法で大量に作られます。
そのため、古材として再利用される場合でも、同じサイズの材を複数揃えやすい点は足場材ならではのメリットです。ある程度の数量を揃えられることで、屋内の床材としての利用例もあります。
ただし、木材として使いやすいよう、ひどい欠損部分を除去したり表面のカビを落としたりなどの加工をされていることがあります。市場に出る場合は足場材としての規格よりも小さくなっている可能性もあるため、注意しましょう。
足場板をDIY用で購入する際は、以下の2つに注意しましょう。
製材したての木材では見られない特徴のため、購入する際には十分な注意が必要です。
足場材は、建築現場などの厳しい環境で使用されてきた材です。
そのため、腐朽が進んだり、釘跡残っていたりすることがあります。板によっては局所的な欠損が激しい場合もあるので、急な破損につながる危険性があります。
購入する前に十分に確認しましょう。
長年足場として使用されてきたため、人の体重によって板が反っている場合があります。
反りすぎている木材は、DIYの素材としても適さないため、あまり販売されていませんが、しっかりと目視での確認が必要です。
特に重量があるものを運搬する必要がある現場などで使用されてきた足場板は、中央がたわんでいるような、反りやゆがみが出ている場合もあります。
使われなくなった足場材をDIY用の古材として再利用することは、アップサイクルと呼ばれます。
アップサイクルとは、一度原料に戻して再利用するリサイクルとは異なり、原料に戻すことなく再び価値を与える行動のことです。
足場板の再利用は、昨今注目を集めているSDGs(持続可能な開発目標)にもつながり、個人単位でのSDGsにつながる行動といえます。
足場板を手に入れる方法は大きく分けて以下の3つあります。
有料のものがほとんどですが、タイミングによっては無料で手に入れられる場合もあります。
予算や必要な数量に合わせた方法で足場板を手に入れましょう。
予算が少ない時や、できるだけ安く手に入れたいと考える場合は、フリマアプリや地元の掲示板などで探すというのもひとつの方法です。
個人出品の場合、数が揃わない可能性も高くなりますが、数段の棚を作る目的などの場合には十分であることも多いでしょう。
価格差はありますが、1mあたり1,000円前後から購入できることが多いようです。
また、地元の工務店などから使わなくなった足場板などを譲ってもらえる可能性もゼロではありません。
普段から懇意にしている工務店などに、あらかじめ声をかけておくことで、使わなくなった足場板が出た際に、声をかけてもらえることもあります。
ホームセンターでも足場材の取り扱いのある店舗が多くなっています。
自分の目で反りや汚れの具合を確かめられるため、精度の高いものを作りたい場合はホームセンターでの購入がおすすめです。
持ち帰りのことも考えると、短い長さに切断する加工代が必要になる可能性もあります。
また、在庫状況なども店舗によって違うため、購入するときはあらかじめ在庫の確認をしておきましょう。
ある程度の数量を必要とする場合、通信販売での購入もおすすめです。
通信販売の業者は、在庫を一カ所に集約していることが多いため、複数の注文にも対応できます。
また、店舗よりも在庫リスクが下がるため、他品種を扱うことが可能となり、材質やサイズ、色などバリエーション豊かな品揃えになっているところもメリットです。
量によっては送料がかかる場合があるため、購入前には購入金額の確認が必要です。
足場板には、スチール製やアルミ製、木製の3種類が存在しています。
スチール製やアルミ製の足場板は高い耐久性を誇りますが、木製の足場板は劣化などによる強度低下によって、数年で新しいものと入れ替えられます。
しかし、現在足場材としての機能を終えたものは、自然な風合いを持つDIY用の素材として人気が高まっています。
もともと作業員の重量を支える強度があった材のため、家具や棚、床材としても十分な強度を持ち、サイズの揃った材を複数揃えやすいというメリットもあります。
腐朽や釘跡などが残留している可能性がありますが、DIY用としてアップサイクルして再利用することは、SDGsの目標達成にもつながるため、積極的な利用が推し進められています。
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