公共施設
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木材の調達・加工を相談する<本案件はウッドデザイン賞2022で入賞いたしました>
入賞に関する船場様のプレスリリースはこちら
千葉県いすみ市に新しくできたグランピング施設「いすみグランピングリゾート&スパ ソラス」。
森未来では、メインエントランスの白樺と、外構部の枕木の木材コーディネートをさせていただきました。
調達難易度も高い案件でしたので、調達過程などについてご紹介します。
設計施工は、空間創造企業「株式会社船場」です。
船場様は、Good Ehical Company をビジョンとして掲げ、内装に使用する建材をエシカルマテリアルに切り替えられております。
エシカルマテリアルについては、船場様の特設サイトをご覧ください。
当社の事例(「銀座に白樺の森を表現したい」化粧品店の白樺ディスプレイ)をご覧になられた設計者様が、長さ5000~6000mm、枝付きでつくれないか相談をいただきました。
下の画像が初期のパース図です。
これまで何件か白樺を納品させていただきましたが、今回の長さ5500mmで枝付きという条件は難易度の高い調達でした。
白樺の調達については、
・市場には出回っていないので、伐採から手配する必要がある。
・通常では枝は払い落してしまうため、枝を残したまま山から搬出する必要がある。
・さらには、枝を残したまま乾燥させる。
という条件があり、かなり難易度の高い調達です。
白樺をディスプレイに使用する場合、表面をコーティングするか否かでご予算もおおきくかわります。
お互いのイメージに齟齬がないように、コーティングしたサンプルと無垢のサンプルをお送りしました。
白樺はコーティングしないと表面の皮がペリペリと剝がれてしまい、表面のダメージや、フロアの汚れにつながります。
今回は、無垢の質感を大事にしたい。また、一般の方が立ち入らないフロントの後ろ側に設置することから、コーティングせず、無垢のまま納品することとなりました。
まずは、丸太を確保するため、伐採に入ります。
山間部での伐採でも枝が折れないように、細心の注意を払いました。
その後、天然乾燥を経て、表面が焼けて色が変わらないように中低温でじっくりと乾燥させました。
しかし、丸太のままで乾燥させるため完全には乾きません。そのため竣工後にカビなどが生えてしまうリスクがあるため、対策を講じる必要があります。
施工後に写真撮影してみると、パース図と同じ仕上がりになっており、驚きました。(ぜひ初めの方に掲載しているパース図と見比べてみてください)。
白樺丸太の設置部分はウッドチップで隠しておりますが、木口と土台との間にクリアランスを設けています。これによって木口から呼吸できるため、カビなどの発生リスクを抑制する対策をしています。
5500mmの長尺の白樺をどう固定させるかは悩みましたが、ワイヤーで固定し、遠目ではわからないように仕上げております。
アウトドアエリアもとてもきれいなグランピング施設ですが、最初に迎え入れるエントランスも大変心地よい空間に仕上がりました。
その他、外構のサインに国産材杉を使用した枕木も納品させていただきました。
どっしりとした枕木の安定感があり、さらに加圧式防腐防蟻ACQ処理済みのため、腐朽対策も万全です。
物件:ISUMI Glamping Resort & Spa SOLAS
設計・施工:株式会社船場
今回は、枝付き5500mmの白樺という当社でも初の取組でしたが、実施したからこそ課題も見えました。
従来、白樺は製紙用パルプのチップとして、ほぼ付加価値が無い状態で取引されます。
このように新たな活用方法を見出すことにより、白樺林に資金が還元され、持続可能な林業につながります。
白樺については様々な実績がございますので、実現できるかわからないプランでも、お気軽にご相談ください。
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