CoC認証 静岡県
株式会社キシル
「シンプルさ」が特徴の家具メーカー
静岡県浜松市に本社を置く家具メーカーで、日本の木で人を幸せにすることをミッションとして、主に天竜材を用いた家具の製作を行っています。小さい規模感の会社だからこそ実現できる、製材から木工まで自社で一貫して行うというシンプルな製造経路が強みです。このシンプルさ、実は「製品がFSC認証を受けた木材のみでできている」という保証が必要なFSC・CoC認証との相性が良かったのです。
顔の見える木材製品を目指して
FSC認証と出会うまでをさかのぼると、家具ブランドを立ち上げるときに目指した方向性にたどり着きます。それは、「モノづくりの見えるブランド」です。製材からではなく山を持つことから製品作りまで、全て自社で顔が見える形で行う。しかし、山を持つことはかなりハードルが高いことでした。山を買えない間、自分たちが材を出している山を保証する方法を探していたところ、FSC認証と出会いました。認証の取得にあたっては、「材料の管理」が重要になります。FSC認証材が必要になった場合に、認証材を間違いなく出す必要があるためです。ですが、私たちは審査の前から、データベースによって管理する体制を取っていました。これがFSCの基準よりもかなり細かくできているとお墨付きをいただき、審査もスムーズに進みました。
あそびごころを持った内装材
家具メーカーではありますが、FSC認証材では内装材も手がけています。その商品の1つに、「手塗り床」というものがあります。特徴は、その「ばらつき」です。実は、全て手作業で塗っています。均一な製品のニーズが高い中で、あえてDIYの延長上にある、みんなでわいわい言いながら塗っているようなフローリングを売り出すことにしたのです。手作りの風合いを出せるところに、大企業の効率化を求めた製品にはない特徴があります。いつもの床とは少し違う、そんな内装を求めている方の琴線に触れるようなものであれば嬉しいです。
変化に対応するためのパスポート
コロナ禍で、家具の需要にも変化がありました。大人向けの椅子が全て売り切れた時期があったのです。もともと子ども用の家具を中心にラインナップを展開していましたが、これをきっかけに大人向けの家具を増やしたりもしています。変化する社会への対応ということでは、海外への進出も視野に入れています。日本の人口変化を考えると、国外へのアプローチも必要かという観点から計画をしています。このときに、FSC認証は「いかにきちんとした材料を使っているきちんとしたブランドか」を証明するための、いわばパスポートになり得ると期待しています。FSCは、海外事業部設立という夢を諦めない限り、続けていきたいと考えています。