FM認証 岐阜県
東白川村森林組合
岐阜でいちばん小さな村で
東白川村は岐阜県加茂郡の最東端に位置する、岐阜県で一番小さな村です。「東濃ひのき」の主要な産地として林業を行ってきました。その材は、桜の花を思わせるような赤みと目の細かさと、豊富な油分が生み出す漆器のような艶を持っています。厳しい冬の寒さの中じっくりと成長したヒノキを、一本一本丁寧にチェーンソーで伐り出すという作業にも特徴があります。東白川村森林組合は、岐阜県が代表を務めるグループ認証の一員として2003年にFSC認証を取得しました。
FSC認証への期待
FSC認証取得へ踏み切った当時、木材価格は全国的に低い水準で推移していました。林業の将来に危機感を覚えていた中、岐阜県庁からの紹介を受けたのがFSC認証取得へと歩み出したきっかけです。節のない柱の価値をわかってくれる目利きの人はいつまでもいるものなのだろうか。木材に対する伝統的な価値観は、将来的にもずっと続くのだろうか。こうした不安への対策として、「環境」という付加価値を付けることができるFSC認証を活用できるかもしれない。そう期待しました。
FSCという「免許証」がつないだ縁
環境保全への取り組みも盛んに行っています。例えば、「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」の協定締結。東京都の港区が地方の自治体と連携して「脱地球温暖化」を目指す取り組みです。また、企業のCSR活動への参加や、森林保全団体「more trees(モア・トゥリーズ)」との協定締結なども行っています。こうした様々な取り組みへの参加は、FSC認証を取得していたからこそのものでした。FSCは、一生懸命になっている人たちと繋がり、一緒に仕事ができる免許証のようなものだと思っています。
より多様なニーズに応えたい
これからは、FSC材の流通にも力を入れていきたいと思っています。しかし、そこには課題もあります。現在、村で生産しているFSC認証材だけでは、太い木が必要な板材、大量の認証材が欲しいという注文に対応するのは困難なのです。近隣に目を向けると、東白川の材に似た特徴でより大きなサイズの材を生産する地域もあります。そうした地域がグループの一員になってくれると、もっと多様なニーズに応えられるようになると期待しています。将来的には「東濃ひのき」と「FSC」の2つのブランドで、海外のマーケットにも進出していきたいです。