CoC認証 愛知
株式会社太閤
<秀吉の名を取って>
愛知県名古屋市で合板やMDFを取り扱っている商社・メーカーです。東海地方に多く立地していた化学工場向けに合板を仕入れて売り始めたことをルーツとし、三代にわたり事業を展開してきました。創業者は徳島の出身。もともと合板の工場が点在していた現在の場所へと拠点を置く際に、「太閤秀吉」から取った「太閤ベニヤ商会」という名前を付け、1952年2月に創業しました。現在も会社名に「太閤」が残されています。
時代の流れに乗った挑戦
名古屋地区の合板工場が次々に閉じていく中、会社を継いだ二代目は合板のみを取り扱うことへの限界を感じ、MDFの取り扱いにも着手しました。そして、三代目となった現在、何かトライアルできるものがないかということに加え、森林伐採に対する負のイメージと結びつきがちな「製材」のイメージを変えるものを探していたところ、FSCと出会いました。これまでほぼ口頭で伝えてきた倉庫関連の作業を文書化することには苦労したものの、これまで行ってきた管理方法をほぼ変えることなく、2008年にCoC認証を取得しました。
イメージを叶えるFSC認証材
FSC認証材は、合板や主力製品のカラーMDFにも使われています。通常のMDFとは異なり木材繊維をあらかじめ染色してプレスしたカラーMDFは、断面と表面の色を合わせることができ、色ムラもなく美しい仕上がりとなります。この見た目に惹かれ、なおかつFSCにも対応できるということから、2019年に取り扱いを始めました。5mm、9mm、18mmの厚さを取り揃えており、設計士の方々が自由な企画で用いることのできる材となっています。カラーMDFにはFSCのミックスクレジットがつきますが、さらに一歩進んだFSCへのこだわりを持つ方には、FSC100%の合板を提供することもできます。
FSCの「種」をまいて
FSCについては、商売になるかならないかという側面を超えて、今後も続けていきたいと考えています。森林を伐採して作られている木材を使うことは「環境に良くない」というイメージと結びつきやすいのが現状です。このような中で、環境のことを考えた商品を扱っているということが心の中で芯になっています。さらに、考え方のレベルで共感してくれる方々とやりとりをするきっかけにもなります。今後は家具を含め、FSC認証材を用いた完成品・加工品を提供する窓口となっていきたいと考えています。FSCという「種」から出た芽が、細くとも続いて行くものになってくれれば。そんな思いを基に、これからもFSC製品を提供していきます。