CoC認証 大阪府
越井木材工業株式会社
歴史と開拓力を兼ね備えて
大阪府大阪市に本社を置き、江戸時代から現在に至る長い歴史を持つ会社です。明治時代には素材電柱の導入も手がけていました。ここで得た防腐・防蟻処理のノウハウは、現在にも受け継がれています。時代が進み、電柱のコンクリート化や住宅需要が増加すると、住宅の基礎部分や合板事業にも着手。現在では通常の製材のみならず、サーモウッドの生産や土台を中心とした構造材、電車内装なども手がけています。FSC認証は2012年に取得しました。その後も、林野庁が推奨している認証などを取得し、持続可能なビジネスの実現に向け確実に前に進めています。
環境にとことん配慮した保存処理木材
力を入れている製品の一つである「コシイ・スーパーサーモ」は、フィンランドで誕生したサーモウッド技術を用いて処理した木材です。高温の水蒸気で熱処理することで、薬剤を使わずに寸法安定性と耐久性を向上させることができる、非常に環境にやさしく、ケミカルレスで安全な技術です。約10年前から国産のスギ利用を拡大させようという動きの中で導入が進められました。国産材に合わせて改良した処理により、日本の気候で屋外利用にも適した木材となっています。脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律ができ、さらに一般にも広がりをみせています。より多くの国産材を利用し、産地活性化を図り、社会、環境に貢献できる製品にしていきたいと思います。
人づくりとモノづくり
「責任あるモノづくりを支えるのは人である」という想い。「安全」・「品質管理」・「コンプライアンス」の理念をベースに、とくに人材教育に力を注いでいます。同時に、責任あるモノづくりを日々取り組んでいます。FSC認証の取得も、この理念に基づいた自然な流れによるものでした。認証の取得が大きく役に立ったのは、2021年に開催された東京オリンピックです。持続可能性に配慮した木材調達が掲げられ、FSC認証を取得している木材は原則として使用できるという指針が出されました。これに伴い、早い段階より調達を開始。その木材は、海の森水上競技場などの5つの施設に活用されました。FSC認証を持つ産地側と協議し、さらに、長年の我々のお客様である木材流通業者にCOC認証を取得してもらい、新しいサプライチェーンも実現しました。コシイの力だけでなく、多くの人が関わり、「責任あるモノづくり」が、なされたことに大きな意義があったと考えます。
責任ある資源活用を目指して
日本の森林の現状が注目されるようになる中で、「国産材活用」の理念は徐々に浸透してきています。その目指すところは、大きく捉えれば「資源を無駄にせず使うこと」だとも言えます。FSCマークなどを活用したわかりやすい宣伝にも効果が期待できますが、それに加えて幅広く「資源を無駄にせず使う」という理念に向かって進む気運を高めることも、FSC認証材の活用を広める上で成果を上げるかもしれません。木材を大切に使うために法律に反することはしない。法律に反してしまっていた、と後から気付くようなことも無いようにしたい。理念を支える3本の柱のもと、FSC認証を今後も続けて行こうと考えています。そして今、コシイはSDGsの17ゴール全ての目標に取り組み始めています。